がんは、とてつもないストレスです。
この巨大なストレスに押しつぶされないためには「ストレスマネジメント」が大切、
というお話。
今日のテーマは「ストレスマネジメントとインターネット」です。
がん患者にとってのストレスマネジメントは、がんという診断を受け、
昨日までの自分とまるで別人になるような、
青天の霹靂のような第1の巨大なストレスから始まります。
がんと診断されると、治るのだろうか、死ぬのだろうか、だとしたら余命は?
と結論を急ぐような思いが襲います。
昨日の自分と何も変わらないのに、がんがこの1日で体に急に巣喰ったわけではないのに、「がん」という言葉が脳のすべてを覆い、治癒か死か、の瀬戸際に立たされたように感じます。
そして次に、仕事のこと、家族のこと、お金のこと、離れて暮らす親のこと……、
答えの出ない悩みがぐるぐると脳内をめぐります。
そんなとき、1~2週間は、何らかの「結論」を出さないことが大切、
というのが第1の巨大なストレスへのマネジメントです。
まず仕事を辞める、とか、手術が無理なら抗がん剤で進行を遅らせる方法しかない、とか。パニックのようになっているときに結論を出さない。
その次のストレスマネジメントは、家族、担当医以外の誰かに、何かの機関に、相談することです。がん診療連携拠点病院には、「がん相談支援センター」が必ず配置されています。
おなじ病気、おなじがんにかかった人たちに会える「患者会」もあります。
「医療コーディネーター」という相談システムがあり、さまざまな国家資格を持った専門家が、自分の側にたって仲介役をしてくれます。
また、今の時代はインターネットによって、同じ病気を経験している人のブログや、SNSなどを見つけることができるのも大きなメリットです。
40代、小さい子どものいる父親、母親であるとか、子どもは巣立ったけれど離れて住んでいる両親がいる、これから転職しようと考えていた矢先であるなど、年齢や境遇の似た人がいるところを見つけられるとよいと思います。
例えば、こどもを持つがん患者の「キャンサーペアレンツ」や「がんサバイバー・クラブ」などもあります。そういう場所には、がん当事者しかわからない、がん当事者しか答えられないことがあり、おじようなストレスに直面した人がきっといます。
その人の答えが、そのまま自分の答えにはならなくても、答えの糸口になるかもしれません。体験談を読むことだけでも気持ちがひとつ、ラクになります。
インターネットはその功罪が取りざたされる昨今ですし、
玉石混交、うのみにしてはいけないのがネット情報の常識ではありますが、
直接は会えなくても同じ思いを抱えた人と気持ちを共有できるのは、
インターネットの「功」。
話をしたり聞いたりできるネット上の「場」を見つけてみるのもよいかもしれません。
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ストレスマネジメントの大きな要素として、「人とのコミュニケーション」、というのがあります。人間関係がストレスの大きな要因だと言われるのに、人との会話やふれあいは活力になったり、癒しになったりする。
不思議なものですね。
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