今回のテーマは「唾液はもともと血液⁉」。
秋から冬へ、季節の変わり目、
これからもっと乾燥する季節に突入します。
マスクを着用するのが習慣になって、
気がつくとマスクの下で口呼吸になってしまっていませんか?
口呼吸になると、おのずと口の中が乾き気味になり、
唾液の量が減少します。
実は唾液には、想像を超えた働きが驚くほどあり、
口の中をうるおしながらいろんな活躍をしてくれています。
今日はそんなお話。
まず、衝撃の事実から。
「唾液は、もともと血液」
だったということ、ご存知でしたでしょうか⁉
唾液はもともと血液、そうなんです。
そのしくみはどうなっているのかというと、
水分を摂取する → 骨髄で血液が作られる
→ 血液が唾液腺で唾液に作り変えられる
というメカニズムなのだそうです。
唾液は透明といえば透明ですが、
コップで飲んだ水がどこかを通って唾液に変わるわけではなくて、
一度「血液」になって、
それから唾液に変わるのだそう。
一度赤い血液になるのか……と想像すると不思議ですが、
食べたものがいろいろを経て体の細胞、自分になるわけですから、
そんなこと不思議がっていたらキリがないですよね。
さて今、私たちの口の中にある唾液。
この唾液にはとてつもなくたくさんの有効成分が含まれています。
アミラーゼは消化作用。
歯の保護をする糖タンパク。
ねっとりとして粘膜保護作用をもつムチン。
歯の補修作用をもつリン酸・カルシウム。
粘膜の修復や細胞の保護をしてくれる成長ホルモン。
抗菌作用のあるリゾチーム、ラクトフェリン、
そして免疫グロブリンA。
免疫グロブリンAは、
抗体の一種で、人の腸管、気道などの粘膜に多くあり、
細菌やウイルス感染の予防に大活躍してくれています。
唾液に含まれる免疫グロブリンAの量が多いと、
呼吸器系疾患にかかりづらいということが分かっています。
口はふだん、食べたり会話したりしていないときは、
閉じて鼻呼吸しているのが理想だと言われるのは、
口の中を唾液がうるおしてくれている状態がベターだからというのも大きな理由の一つ。
唾液が口内の自浄作用をうながし、
粘膜を保護し、
口内を中性に保ちます。
唾液の分泌が減少して口内が乾きやすくなると、
口内炎になりやすくなったり、
潤滑しないので会話がしづらくなったり。
口内細菌が活発に増える、
飲食物の酸により口内が酸性に傾いて虫歯になりやすくなる、
消化酵素が減少して胃の負担が増えるなど、
ネガティブな影響が少なくありません。
では「唾液の分泌はなぜ減少してしまうのか」、
「どうすれば唾液の分泌をうながすことができるのか」。
そこについては次回、またお話ししていきますね。
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