体調を左右する大切な3本柱、
自律神経、免疫、ホルモン。
その「ホルモン」にまつわる不調のひとつが、『更年期』の症状。
女性の場合、生理の約1週間前から生理開始までくらいの間になんらかの不調が集中して続く場合は、PMS(ピーエムエス 月経前症候群)と呼ばれる症状で、その時期の女性ホルモンの急激な変動がひきおこすもの。生理が始まるとおさまるのがPMSの特徴だそうです。
生理が終わるとPMSからも生理痛からも解放され、スッキリする、という自覚があるのであればそれは「更年期」ではないといえます。
更年期は、加齢によって女性ホルモンが急激に減少するもの。「50歳を中心とする前後5年、45歳〜55歳」がその時期とされていますが、10年間つらい症状が続くというわけではありません。閉経の平均年齢をグラフにしたとき、50歳を中心に分布するので、早い人で45歳くらい、遅い人で55歳くらいに閉経するという意味です。
閉経前の数か月〜数年が、とくに不調の時期、つまり「更年期」のつらい症状が続くとされています。これは毎月くる生理が、生理前にPMSになるのと似ていて、それでPMSのことを「毎月くる更年期」という婦人科医もいます。
更年期の症状、重さ軽さ、症状が続く期間には、個人差がとてもあります。
昔は更年期の不調のことを「なまけ病」などとさげすんで、「子育てがひと段落して気が緩んだからだ」とか、「忙しく働いていればそんな不調は感じないものだ」とするような風潮が実際ありました。生理痛やPMSも、昔は「生理くらいでつらい顔をするな」と言われたりしていました。寝込むほどつらい症状が出る人、泣き叫びたいくらいイライラする人、ほとんど何も症状がない人もいるという「個人差」があります。
時代はかわり、先輩女性たちのおかげもあり、「更年期・PMS不遇時代」は過去のモノとなりました。(完全になってはいないかもしれないですが)今は、いかに「自分の」更年期を、「受け入れるか」の時代です。
自分にはどんな更年期が来るかお楽しみ……っていうわけにはいきませんが、誰もが通る道。個人差が大きいから他人の体験談は参考にならないかっていうとそうでもなく、正しい知識とリアルな体験談は心がまえをつくる大切な要素になります。
そもそもホルモンというのは、体のあちこちの部位に働きかけて、健康維持のために働く物質。体内をめぐる情報伝達物質で、100種類以上もあると言われているそうです。
加齢による女性ホルモンの分泌の低下によって、あちこちに不調が起こるのも自然なこと。
それにどう対処するか。
自律神経を整え、免疫力を高めるというほかの2本柱の強化も有効だし、ホルモンバランスを整える試みももちろん有効。
明日はホルモンバランスを整える具体的な方法と、婦人科ではどんな処方をしてくれるのか、についてみていきましょう。
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* * 編集後記 * *
先生が黒板の前に立って、木でできた巨大な三角定規をふたつ黒板に直角にあてて、
片方をずらしながら、2本の平行な線を書いてくれたことを思い出してみてください。
今では、こどもたちの多くが、「平行線の書き方」をビデオで見て学ぶそうです。
リスだか猿だかのキャラクターが説明しながら、三角定規は自動的につつーっとずれて
平行線があらわされるそうです。そんなのが記憶に残るのだろうか、って思ってしまうのは私だけでしょうか。
……と思っていたら、
こと学習において、リアルな授業とオンライン授業の、情報量の多寡は、リアルな授業が20倍だとする計算があるのだそうです。定規をあてる音、ずらすときの先生の汗、2枚の定規をおさえてさらに線を引く先生の苦労、ちょっとずれて平行線とはいいがたいかもしれない白い2本線。それらすべての情報量が、平行線を心に刻んでくれる。
新しい日常だからこそ、オンラインでいろんなことができることがわかったからこそ、
リアルな体験の大切さ、というか情報量の多さを認識したいと思います。
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