安保先生の専門は免疫学。
新潟大学大学院医歯学総合研究所名誉教授、
そして日本自律神経病研究会の終身名誉理事長、
という肩書もお持ちの医学博士ですが、
2016年にお亡くなりになられたときには、
「まさか、医学界の刺客による暗殺……?」などという陰謀説もささやかれるほど。
(亡くなられたのはご自宅で、大動脈解離によるもの。暗殺ではないと奥様談)
では、安保先生がどんな医学博士だったかというと、とてもユーモアのある語り口で、難しい医学の話を平場の人たちにもわかるように説明してくださるかたでした。
安保先生の著書にはどんなものがあるか、いくつかご紹介しますね。
1冊目は、『医療が病いをつくる ─免疫からの警鐘−』(岩波書店刊)。
タイトルからも垣間感じることができる先生の思想。
ずばり、医療が病を「つくる」のだという衝撃的なタイトルです。
この著書のなかで、安保先生は医者という立場でありながら、
現代医療に疑問をもち、
「なぜ病いは治らないのか、難治化するのか」を
まっすぐに説いていかれます。
なぜ具合を悪くした患者が、医療を受けて大量の薬を処方されて、治らないどころか悪化する、激しい副作用に苦しむ……ということがあるのか、あっていいのか。
根本的な間違いをこの著書の中で指摘しておられます。
2冊目は『人が病気になるたった2つの原因』(講談社刊)。
低酸素・低体温の体質を治して健康に近づこうという安保先生の伝えたい内容を、細胞内のミトコンドリアレベルからわかりやすく説明しています。
さらにがんを育ててしまう環境「低酸素・低体温」の主因は、仕事や不眠などによるストレスであるとも語られています。
3冊目は『疲れない体をつくる免疫力』(三笠書房刊・知的生き方文庫)。
これは、難しいことを抜きに「具体的にどんなことをすればいいのか」についてたくさん書いてある使いやすい本。
今すぐ実践できることが次々と読めるので、トイレに置いて拾い読みする……というような読み方にもぴったりです。

著書の他にも、講演で話された安保先生の言葉はネット上でみつけることができます。
「がんの人の内部環境は、ミトコンドリアが少なく、低酸素、低体温です」
「解熱剤、痛み止め、抗がん剤、ステロイド剤……。これらはすべて交感神経を刺激して、血流を止め体温を下げ免疫力を低下させます」
「血流が悪くなると、細胞は酸素不足になります」
「がん細胞は、正常細胞からミトコンドリアが削られた、だけの違いに過ぎないのです」
「体温+4度、少しぬるめと感じるくらいが、副交感神経が活発になり免疫力が高まります」
「腸内環境が悪化すると、免疫の要であるリンパ球が育ちません。腸内環境をよくするためには食事が大切です」
などなど。
他にも、著書では降圧剤、利尿剤、ステロイド、消炎鎮痛剤などについての見解も多く述べられており、
「そんなこと言い切ってしまって大丈夫なの?」と心配になるような内容も少なくないのですが、
でも、だからこそ、読み継がれていかなくてはならない良書ばかり。
出版社や読んだ人のレビューを検討して、ぜひ安保先生の著書に触れてみてください。
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* 編集後記 *
「まごはやさしい」という体にいい食材の覚え方をご存知でしょうか。
ま→豆、大豆製品。
ご→ゴマ、ナッツなど。
は→わかめなどの海藻。
や→野菜。
さ→魚介類。
し→しいたけなどキノコ類。
い→いも類。
ここまでは分かるのですが、これがいろいろ派生していて、
「まごはやさしいこ」と「こ→酵素。発酵食品」を追加したもの。
「まごはやさしいこよ」と詠嘆して「ヨーグルト」を追加したもの。
「まごはやさしいにたにた」となぜか鼻の下をのばした感じで「肉、卵、乳製品、果物(た、が果物…?)」を追加したもの。
「そばのひ孫と孫はやさしいこかい? なっとく!」と「そば、のり、ひじき、、とうもろこし、果物」などなどを追加した、ちょっと悪ノリが始まっているもの。
派生はとどまるところ知らずですが、
私がいいなと思ったのは「まごはやさしいっす」。
「す」は「お酢」を追加したバージョンです。
この覚え方をちょっとキッチンに貼っておくと、
もう1品をわかめの酢の物にしようとか、
ゴマをひねって何かにかけようとか、
海苔をちぎって散らそうなどと
最後の一工夫ができるのも重宝します。
どうぞお試しください。
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