前回は「新型栄養失調」について、
とくに高齢者がおちいりやすい傾向について見ていきました。
かんたんに言うと、「新型栄養失調」とは、
摂取カロリーは足りているのに
特定の栄養が足りていない状態、のこと。
一見やせていても太っていても、ちょうどいい感じの人でも、
誰にでも起こり得るのが特徴です。
年齢や、食の好み、生活習慣などによって食生活というのはほんとうにさまざま。
新型栄養失調におちいりやすい人の傾向として挙げられるのが以下の3つです。
1)調理が面倒、おっくう、他のことで忙しい。
2)好みがかたよっている、好き嫌いが激しい傾向がある。
3)外食が多い、食べるものがパターン化しすぎている。
ご自身に心当たり、おありでしょうか。
上の1,2,3のすべてに当てはまる方はもちろん、
1つでも当てはまるのであれば、
今より少しだけ、食生活を少し、改善したいところです。
まず大きな前提として、
「手をかけずに食べられるようにできているもの」
(=コンビニのお弁当、スーパーのお惣菜、手軽な外食など)は
炭水化物多め & カロリー多め & 調味料強め、
であることがほとんど。
「おいしそう」に見えれば手にとり、
価格が「安い」と感じれば、そのままレジに行ってもらえるものだから、
見栄えと味と価格(利益)の三要素で成り立っています。
その点、自分で調理するとしても家族が調理するとしても、
家のごはんは、安く抑えようと思いこそすれ利益を上げるものではありません。
肉、魚、野菜を自分で買って調理するので、
肉も魚も野菜も新鮮なものを自然と求めます。
塩や砂糖、しょうゆを入れるだけでも家族の顔を思い出して控えめになります。
そして家のごはんを調理するとき長期保存や発色や風味づけのために、
人口の食品添加物を混入させるというのは聞いたことがありません。
話が「新型栄養失調」から少しそれてしまいましたが、
炭水化物多め、カロリー多め、味付け濃いめの手軽な食べ物は、
体の各臓器に必要なビタミン・ミネラルに乏しいことがほとんど。
そういったものばかりを食べていると、
カロリーは足りているのに、代謝が落ち、免疫バランスが崩れ、
細胞や血管の老化は進んでしまいます。
新型栄養失調にならない、
栄養バランスのとれる、最善の食生活は、
自分や家族の口に入るものを自分で選んだ素材や調味料で、
自分で調理するのが理想といえば理想です。
でも、毎日・毎食そうもいかないのが現実、だとすればそんなときどうすればよいのでしょう。
そんなときの対処法を、
知り合いの栄養士さんにたずねてみました。
彼女は最近「分子栄養学」を学んでいるのだそうですが、
手の込んだ料理など一切つくらないと言ってはばからない人。
彼女曰く、栄養バランスのとれる最もかんたんな方法は2つ。
1つめが、「食材と調理法を昨日と違うものにチェンジ」。
昨日豚肉なら今日は鶏肉。
昨日お肉なら今日はお魚。
昨日炒め物をしたなら今日は蒸す。煮る。焼くのどれか。
2つめが、「買う野菜をいつもと違うものにチェンジする」。
エノキやしめじが定番ならエリンギやシイタケを。
水菜やキャベツが定番なら小松菜や白菜に。
昨日と違う食材と調理法にチェンジ。
いつもと違う野菜にチェンジ。
いつもは行かないスーパーや商店街に、
足を運んでみるのもよい「チェンジ」かも知れないですね。
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