「笑う門には福来る」ということわざがあります。
私も、このことわざは大好きで、座右の銘といってもいいくらい。家族や、大切な人には、
できれば笑っていてもらいたいものですよね。家族が笑っているのを見ると、とてもうれしいし、自分が家族の誰かを笑わせることができたら、鼻高々、気分も晴れやかになります。
笑うことも、人を笑わせることも、脳がリラックスしていい気分になる。そのとき、体内でNK細胞ががぜん、増殖しています。人間が笑うと、免疫の機能を司る間脳に「おもしろいよ、笑ってるよ」と興奮が伝わります。すると、情報を伝達する物質=善玉の神経ペプチドが活発につくられます。笑いがもととなってつくられた善玉の神経ペプチド。
これがNK細胞にくっついて活性化し、体内に入ってきたウイルスや、がん細胞をやっつけようと活躍してくれるという仕組みです。反対に、ストレスにさらされているときや、苦しみや悲しみにさいなまれているとき、NK細胞も元気がなく、体内に入ってきた外敵をやっつけるパワーもなかなか出ません。ネガティブなことで体中がいっぱいになってしまって、
どうしようもないときは、体内にいる外敵に対してとても無防備な状態です。イコール、免疫力が低くなっている状態です。そんな状態をできるだけ長く続けないように、手っとり早く援護隊を送るのなら「笑うこと」。テレビのバラエティ番組でも、落語や漫才でもなんでもいいのです。
なんなら両方の口角をキュッと上げて笑顔をつくってみる、それだけでも脳が「笑ってるな。楽しいんだな」と勘違いして、NK細胞を増やしてくれることが証明されています。
しかも、笑いには、NK細胞を増やす効果だけでなく、免疫システム全体のバランスを整える効果まであるのだそうです。
笑うことは、免疫力をアップさせるだけでなく、すばらしい体への効果がたくさんあります。大脳新皮質に流れる血流が増加して脳の活発化、呼吸が活発になって酸素の消費も増え、血行も促進、脳内ホルモンのエンドルフィンの分泌、そして自律神経を整えます。
私はよく副交感神経優位がとても大切、ということをお話ししますが、ゲラゲラ笑うと呼吸も早まり、心拍も早くなり、交感神経が促進されますが、その後の効果として「ああ面白かった」、というような深い「リラックス」がおとずれ、体のスイッチが副交感神経優位になり、自律神経のバランスがとれるのです。ああ笑った、ああ面白かった、というそのあとの深いリラックス。
それを得るためにどんなことができるか、考えてみてはいかがでしょうか。
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笑うためのコンテンツというのは、たくさんありますよね。昔から洋の東西を問わず、人は「笑い」を求めてきたし、作り手は人を笑わせることを探求してきたのでしょう。
白黒映画のコメディではチャップリンが有名ですが、バスター・キートンの映画は、脳のどこか不思議な部分をくすぐられるような面白さがあります。
ストレスフルな毎日です。ストレスは、あまりそればかりを見つめず、目をなにか別の、自分を笑わせてくれるものに逸らすことも有効。「これを見れば私はつい笑ってしまう」、といういわゆるテッパンのコントやモノマネなんかを、Youtubeなどで見つけておくのもいいかもしれません。
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