今日は、自律神経についてお話してみたいと思います。
その前に、まず「神経」って何なのか、から。神経は、「動物にみられる組織で、情報伝達の役割を担う」とウィキペディアの1行目にあります。
神経 = 体内の情報伝達、ということですね。
体内の情報伝達をしている神経は、構造的に分類すると、「中枢神経系」と「末梢神経系」のふたつに分かれます。
自律神経系は、その「末梢神経系の植物性機能を担う神経系である」、とあります。
この「植物性機能を担う自律神経系」と対比されるのは「動物性機能を担う体性神経系」だそうです。自律神経系は「不随意な機能を制御」しています。
不随意とは、「意思に基づかない」こと。
例えば、ご飯をお箸で口に運ぶ・噛む・飲み込むまでは、通常、自分の意志で動かせます(動物性機能を担う体性神経系)。
でも、飲み込んだあとの、胃で消化しよう、細かくなったから次は腸へ送り込もう、……というのは、自分で意識してコントロールすることはできません。
左胸の心臓の上を軽く押さえてみてください。手首の脈を触ってみるのでもいいです。生まれてから、今この瞬間まで、自分で意図して動かさなくても、ずっと黙々と脈打ち続けてくれています。
自律神経系がやっていることは、そういう不随意な機能の制御。
主に、循環、呼吸、消化、発汗と体温調節、内分泌機能、生殖機能、代謝です。
そして自律神経は、「交感神経」と「副交感神経」のふたつによって構成されています。
この交感神経と副交感神経が、心拍数の高進と低下、消化の抑制と促進、血管の収縮と拡張などの生命を維持する基本的な機能の調節や制御をしてくれています。
交感神経優位のときは、脳と体が活動的になります。
副交感神経優位のときは、脳と体が休息します。
このふたつがうまくバランスをとりながらスイッチしていくのが理想なのですが、スイッチがうまく作用しなくなってくると、夜、休息して眠りたいのに交感神経優位のままで目がさえて眠れない、日中、活動したいのに副交感神経が優位のままでなんだか動けない、やる気が出ない、そんな不調となってあらわれます。
とかく現代人は交感神経優位が常で、うまく交感神経から副交感神経にスイッチできないことが多いとも言えます。
仕事や人間関係のストレス、スケジュールに追われるような日々、食品添加物の多い、脂肪や糖質に偏った食事、座りっぱなし、立ちっぱなしの職場、寝る直前までスマホの画面を見つめていては、脳と体が質のよい休息をするひまがありません。
自律神経は不随意神経。
自分の意志では動かすことはかないませんが、自分の生活習慣、具体的には、仕事、睡眠、食事、運動、メンタルの5方向から、良い方向へと変えることで、少しずつ自律神経を整えていくことができます。
体と心の事情は人それぞれ。
持病のある方もそうでない方も、まずはあなたにできる習慣を1つ、生活の上で実行してみてはいかがでしょう。
例えば「毎日〇時に起きる」とか、
「腹7分目を心がける」。
ひとつ習慣になると、1歩、自律神経の整いかたが変わります。
* 編集後記 *
何かを調べたいとき、インターネットのない時代はどうしていたかというと、「百科事典」が知の宝庫でした。なんでもたいていの物事は載っていて、友達の家のリビングの書棚に並んでいたのを覚えています。
ウィキペディアは、現代の百科事典ですね。今回調べものをしていてはじめて気づいたのですが、実際、ウィキペディアの左上にでている地球儀のようなアイコンの下に「フリー百科事典」とちゃんと書いてあります。
紙の百科事典と最も異なるのが、書物の百科事典は専門家の知見をもとに出版社が編纂したのに対し、ウィキペディアは、専門家含め「誰でも」、執筆や編集に参加できるのが特徴です。「誰でも」ではが信ぴょう性が低い、とすぐに思いがちですが、ウィキペディアでいくつか知りたいことを調べたり、メインページを開いてみると、そんな思いは消え去ります。
その奥深さ、システムの合理性は、人間業とは思えないほど。私はとくに「秀逸な記事」の中から何かひろって読むのが好きです。おススメです。
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